皆さん、こんにちはーー。
今日は「共通暗号鍵」の最大の弱点について解説します。

世の中に使われている暗号に弱点があるなんて、ワクワクしますね。
早速、見ていきましょう!


多くの暗号は、暗号を解くための「秘密の鍵」を事前に相手に伝える必要がある。
そして、その時に「秘密の鍵」が他人に漏れてしまう可能性が高く、危険!
この問題を「鍵の配送問題」と呼ぶ。

「共通鍵暗号」の弱点

もったいぶらずに、いきなりずどーんと答えを書いてしまいましょう。

「共通鍵暗号」の最大の弱点は、暗号文の受取人に必ず鍵を伝えなければいけないということです。

この「鍵」は誰にもバレないように頭の中で覚えておきたいところですが、暗号を解読する人に鍵を伝えなければいけないので、「手紙」か「メール」か「伝言」か何かで鍵を伝える必要があります。
しかも、「鍵」を伝えるときは暗号化が使えないのです。

だって、「鍵」を「暗号化」した場合、今度はその「鍵の暗号化」に使った暗号の鍵を相手に伝える必要があるからです。


だから、いつかは「鍵」を暗号化しないままで送る必要があります。
その瞬間を悪者に狙われて「鍵」が盗まれてしまうリスクがあるのです。


この最大の弱点には名前がついていて、「鍵の配送問題」と呼ばれています。


「鍵の配送問題」は深刻な問題

昔は、この「鍵」書いた本を味方にこっそり配って、暗号文を受け取った味方は、その本を見ながら暗号を元の文に戻していたそうです。
けれど、沢山の人たちとやりとりする場合には、たくさんその本を配る必要がありますね。そうするとどこかからか、この本が敵に漏れてしまうものです。

第二次世界大戦中の日本も、このような「共通鍵暗号」を使っていたのですが、あっという間にアメリカにバレてしまって、秘密の通信内容が筒抜けだったといいます。


次回のお知らせ

さて、「共通暗号鍵」の弱点はわかっていただけましたか。
実は、この克服できなさそうな弱点を乗り越え「鍵の配送問題」が発生しない全く新しい暗号を作った人がいます。

次回からは、この全く新しい暗号について解説していきますから、楽しみにしてください。