独極・QRコード担当の「あじな」です。
さぁ、気合を入れて行列の「足し算」「引き算」から解説していきましょう。
「行列」の「足し算」「引き算」は、2つの「行列」の各要素を「足し」「引き」するだけです。
例を見てみましょう。
$$ \begin{pmatrix} 5 & 3 \\ 1 & 2 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 2 & 2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 6 & 4 \\ 3 & 4 \end{pmatrix} $$ $$ \begin{pmatrix} 1 & 5 & 9 & 3 \\ 3 & 5 & 2 & 4 \\ 8 & 1 & 4 & 2 \end{pmatrix}-\begin{pmatrix} 3 & 2 & 8 & 1 \\ 3 & 1 & 7 & 6 \\ 1 & 9 & 9 & 1 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -2 & 3 & 1 & 2 \\ 0 & 4 & -5 & -2 \\ 7 & -8 & -5 & 1 \end{pmatrix} $$ 目が左いったり右いったりと大変ですが、じっくり見てください。単純でしょ。
例えば、次のような2つの連立方程式があったとします。
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 5x + 3y \\ x + 2y \end{array} \right. \end{eqnarray} $$ $$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x + y \\ 2x + 2y \end{array} \right. \end{eqnarray} $$ この二つの連立方程式を、それぞれ足すとどうなるでしょうか?
\(x\)の係数は\(x\)の係数同士、\(y\)の係数は\(y\)の係数同士で足し算するので、次のようになりますね。
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 6x + 4y \\ 3x + 4y \end{array} \right. \end{eqnarray} $$ これは、まさに次の「行列」の「足し算」と同じですね。
$$ \begin{pmatrix} 5 & 3 \\ 1 & 2 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 2 & 2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 6 & 4 \\ 3 & 4 \end{pmatrix} $$ 「行列」の「足し算」・「引き算」は「連立方程式」同士を「足し算」「引き算」することと同じなんですね。
さぁ、皆さん、この記事がQRコードの解説の一部だということをお忘れなく。
次回は「行列」の「掛け算」を解説します。
さぁ、気合を入れて行列の「足し算」「引き算」から解説していきましょう。
これまでの復習 [表示する]
- QRコードは株式会社デンソーが作ったもので、スマホや携帯で読み取れる
- QRコードは「小さな白と黒の四角でできている」「多少汚れても大丈夫」という特徴がある
- 白黒の四角を使うのは、コンピュータにわかりやすくさせるため
- QRコードは「機能パターン」と「符号化領域」で出来上がっている
- 「機能パターン」は、「クワイエットゾーン」「位置検出パターン」「位置検出パターンの分離パターン」「タイミングパターン」「位置合わせパターン」の5種類
- 「符号化領域」は「形式情報」「型番情報」「データ領域」の3種類
- 「形式情報」は「エラー訂正レベル」と「マスクパターン参照子」で決まり、「\(4 \times 8=32\)」種類のパターンがある
- 「型番情報」は「QRコードのバージョンによって決まり、40種類ある
- 「データ領域」は「データ」と「エラー訂正情報」で出来上がる
- QRコードはバージョンが1~40まである。一辺の大きさは、「QRコードのバージョン(1~40)\( \times \)4\( + \)17」
- 「エラー訂正レベル」は「L(7%の汚れまで)」「M(15%の汚れまで)」「Q(25%の汚れまで)」「H(30%の汚れまで)」の4種類ある。
- 「エラー訂正レベル」が「L」だと「QRコード」で表現できるデータの量は最大で、「H」のときに最小になる。
- 「1bit」とは白・黒、1・0のような2種類の情報を表すことができる能力のことで、文字を増やすと「2bit(4種類)」「3bit(8種類)」と表現できる種類が増える
- 日常の言葉を「エンコード」して「コード(符号)」に置き換え、「コード(符号)」を「デコード」して日常の言葉に戻す
- QRコードの「エンコード」方式は「数字モード」「英数字モード」「漢字モード」「8bitモード」の4種類
- どの「エンコード」方式でも、データは「モード指示子」+「文字数指示子」+「データ」+「終端パターン」+「埋め草ビット」+「埋め草ワード」となる
- QRコードには「白」と「黒」を読み間違えても、元の情報を復元する「エラー訂正」能力が備わっている
- 「エラー訂正」は読み取れた(聞き取れた)言葉から最も近い「ありえそうな単語」を推測すること
- 「エラー訂正力が強い」ということは、「あえて使っていない単語が多い」ということと同じで、効率性は悪い
- 1,0でできている符号では「ハミング距離(2つの符号間で1と0が異なる箇所の個数)」があり、符号間で最も「ハミング距離」が小さいものを「最小距離」と呼ぶ
- 使える「単語」を制限すると「最小距離」は大きくなる
- 「最小距離」の半分までのエラーであれば訂正することができる
- 「単語」を「符号化」したものに、適当な「1」や「0」を後ろにつけると「最小距離」が大きい「エラー訂正機能付符号」になる
- 「エラー訂正機能付符号」を作る際は「符号」に「行列(生成行列)」を掛け算する。
- 「QRコード」は「リード・ソロモン符号」と呼ばれる方法で「エラー訂正機能付符号」を作る
- 行列は数字を並べただけのもので、もともとは「連立方程式」の係数だけ抜き取ってならべたもの
「行列」の「足し算」、「引き算」は「そのまんま」
見出しのタイトル通りでして。。。「行列」の「足し算」「引き算」は普通の数字の「足し算」「引き算」とそっくりです。「行列」の「足し算」「引き算」は、2つの「行列」の各要素を「足し」「引き」するだけです。
例を見てみましょう。
$$ \begin{pmatrix} 5 & 3 \\ 1 & 2 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 2 & 2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 6 & 4 \\ 3 & 4 \end{pmatrix} $$ $$ \begin{pmatrix} 1 & 5 & 9 & 3 \\ 3 & 5 & 2 & 4 \\ 8 & 1 & 4 & 2 \end{pmatrix}-\begin{pmatrix} 3 & 2 & 8 & 1 \\ 3 & 1 & 7 & 6 \\ 1 & 9 & 9 & 1 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} -2 & 3 & 1 & 2 \\ 0 & 4 & -5 & -2 \\ 7 & -8 & -5 & 1 \end{pmatrix} $$ 目が左いったり右いったりと大変ですが、じっくり見てください。単純でしょ。
「行列」の「足し算」、「引き算」の意味
前回の解説で、行列は「連立方程式」を簡単に書くためというお話をしました。例えば、次のような2つの連立方程式があったとします。
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 5x + 3y \\ x + 2y \end{array} \right. \end{eqnarray} $$ $$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} x + y \\ 2x + 2y \end{array} \right. \end{eqnarray} $$ この二つの連立方程式を、それぞれ足すとどうなるでしょうか?
\(x\)の係数は\(x\)の係数同士、\(y\)の係数は\(y\)の係数同士で足し算するので、次のようになりますね。
$$ \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} 6x + 4y \\ 3x + 4y \end{array} \right. \end{eqnarray} $$ これは、まさに次の「行列」の「足し算」と同じですね。
$$ \begin{pmatrix} 5 & 3 \\ 1 & 2 \end{pmatrix}+\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 2 & 2 \end{pmatrix}=\begin{pmatrix} 6 & 4 \\ 3 & 4 \end{pmatrix} $$ 「行列」の「足し算」・「引き算」は「連立方程式」同士を「足し算」「引き算」することと同じなんですね。
さぁ、皆さん、この記事がQRコードの解説の一部だということをお忘れなく。
次回は「行列」の「掛け算」を解説します。